大動脈瘤の治療法としては、胸部あるいは腹部を切り開いて、人工血管を縫い付けて埋め込む手術(人工血管置換術)を行うのが一般的でしたが、最近では、血管に細い管(カテーテル)を挿入してバネ付き人工血管を患部に装着する「ステントグラフト内挿術」が普及し始めています。
当科でも、2011年4月よりステントグラフトを用いた手術を行っております。
バネ付き人工血管(ステントグラフト)を、圧縮して細いカテーテルの中に収納して使用し、脚の付け根を4cm程度切開して動脈内にカテーテルを挿入し、動脈瘤のある部位まで運んだところで収納したステントグラフトを放出し、大動脈瘤部分の血管内に留置,密着することで、大動脈瘤への血液の流入を無くし,破裂しないようにします。
この方法は、胸部や腹部を切開する必要がないため、手術ではどうしても必要な切開部をより小さくすることができ、所要時間も短いため、身体にかかる負担が少ないのが特徴です。
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