平成30年度 米沢市立 病院指標

消化器内科では、消化管、肝臓、胆のう、胆管、膵臓などの癌や炎症などの疾患について幅広く診療を行っています。
消化管（胃、大腸）のポリープや癌の内視鏡的切除、胆管結石の内視鏡的除去なども行っています。

心不全の患者数が最も多く、続いて狭心症・虚血性心疾患、徐脈性不整脈、睡眠時無呼吸症候群となっております。
心不全、徐脈性不整脈に関しては、高齢者が多く、平均年齢が高くなっております。
また、年齢が高くなると、在院日数も長期になる傾向があります。
狭心症、睡眠時無呼吸症候群に関しては、比較的若い方も多く、平均年齢は低くなっております。

当院外科は、消化器・一般外科(食道、胃・十二指腸、小腸・大腸、虫垂・肛門、肝臓・胆道、膵臓・脾、ヘルニアなど)、乳腺・内分泌外科（乳腺、甲状腺など）、呼吸器外科（肺、縦隔）、内視鏡外科、小児外科、外傷等救急疾患など、幅広い領域の疾患に対する手術治療、化学療法を中心に診療を行っています。
DPCの診断群分類別の上位は上記のごときですが、2018年度は鼠径ヘルニア（15歳以上）が最も多く、そのほとんどを腹腔鏡下手術で施行しているところが当科の特徴と言えます（小児の鼠径ヘルニアも腹腔鏡補助下手術も試行）。次に乳房の悪性腫瘍が続きますが、これは近年の乳がん罹患率の上昇の影響もあり、当院では診断、治療(手術や抗癌剤治療)を一連として診療できることが特徴です。3番目と4番目に多い結腸の悪性腫瘍、虫垂炎もほとんど（95％）に腹腔鏡下手術が施行されております。その他胃癌を始めとした消化器癌、腸閉塞なども上位であり、やはりほとんどに腹腔鏡下手術が施行されております。また、乳癌、胃癌・大腸癌、肝胆膵癌の抗癌剤治療も積極的に施行しており、手術治療と合わせ集学的治療が可能となっております。

骨粗鬆症による骨折に対して、脊椎に対しては保存療法、大腿骨、橈骨に対しては手術療法を行っております。
また、外来では骨粗鬆患者2000名、関節リウマチ患者200名に対して薬物療法を行っております。

入院症例は脳梗塞が最多、次いで脳出血、頭部外傷が次ぐのは例年同様である。
脳卒中は特に地域連携パスが有効に活用されており、リハビリ転院がスムーズとなっている。
最近の問題は、高齢者の寝たきりの症例で、経口摂取が不能なケースである。
御家族が胃瘻を希望されず、経管栄養の管理となるが、NGtubeを管理できる施設が少なく、退院先がない方が散見される。
今後も同様のケースが増えることも予想され、何らかの対応が必要と考える。

当科では、心臓疾患、大動脈疾患から下肢閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤まで幅広く患者さんを治療しております。
透析を開始する患者さんの入院も年々増加しています。
（ハイフン表示は、10人未満症例）

眼科疾患で最も多い疾患は緑内障です。
40歳以上の5％といわれていますが、年齢が高くなるにつれてこの割合は高くなり、70歳以上では12％ぐらいになります。
検診で発見されることが多く、ほとんどの患者さんは、点眼治療で生涯視力視野を維持できます。
硝子体疾患は、病的でない生理的飛蚊症から硝子体出血、網膜剥離までさまざまです。
10年ほど前まで黄斑円孔や黄斑上膜の治療はなかったのですが、最近この疾患も硝子体手術で改善できるようになりました。
当院では、25ゲージ硝子体手術を行っています。
黄斑変性は加齢変化による加齢黄斑変性症が最も多くみられます。
加齢によるもの、遺伝性のもの、糖尿病によるもの、血管閉塞に伴うものがあります。
この疾患も10年ほど前までは治療ができない病気でしたが、最近では硝子体内に抗血管新生抑制因子薬を注入することで視力改善維持ができるようになりました。

（ハイフン表示は、10人未満症例）

当科では泌尿器科領域のうち、下部尿路障害（前立腺肥大等）や尿路結石のみならず、膀胱や前立腺の悪性腫瘍や女性の骨盤臓器脱に対する治療を行うとともに、血液浄化療法も担当しております。

肺炎については、市中肺炎、医療・介護関連肺炎、間質性肺炎の軽症から集中治療管理が必要な重症～超重症例に対応しております。
また、各種感染による敗血症、敗血症性ショック、多臓器不全の患者さんの治療も行っています。
（ハイフン表示は、10人未満症例）

大腸ポリープ（腺腫、癌）、胃癌の内視鏡的切除をはじめ、胃潰瘍などの出血性疾患に対する止血術、胆管結石の内視鏡的除去、ステント留置などを患者さんの状態に併せて行っています。

虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈ステント留置術は待機的、急性心筋梗塞、不安定狭心症とも、前年より増加しております。

術式別では、上記の如く腹腔鏡下手術が上位を占めており、特に鼠径ヘルニア手術・胆嚢摘出術では約90％に腹腔鏡下手術が施行され、術後在院日数の短縮を認め早期退院が可能となっております。その他腹腔鏡下手術では結腸切除、虫垂切除、胃切除などが多くなっており、消化器外科領域では腹腔鏡下手術の割合が年々増加し、特に結腸切除、虫垂切除では約85％強を占めております。また、乳癌に対する乳房切除では可及的に乳房温存部分切除＋センチネルリンパ節郭性を施行しております。肝胆膵疾患の高難易度手術（肝葉切除、膵頭十二指腸切除術など）も施行しております。

手術は大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折、肘関節骨折、膝関節骨折、足関節骨折の治療を多く行っております。

慢性硬膜下血腫が最多なのは例年同様である。
内視鏡を用いた脳出血の手術の増加が目立つ。
低侵襲で短時間の手術のため、今後開頭血腫除去（上記４位）の後継的手術となるものと考える。
表には出ていないが、超急性期血栓溶解療法の後の血管内血栓回収を目的に三友堂病院に搬送する症例があったことも特徴的である。
（ハイフン表示は、10人未満症例）

当科では、下肢静脈瘤に対するレーザー血管内焼灼術や大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、狭心症等に対する心拍動下冠動脈バイパス術を中心とした体に優しい手術を積極的に行っています。
また、弁膜症に対する心臓手術や大動脈疾患に対する人工血管置換術等の大きな手術も良好な成績で行っています。
（ハイフン表示は、10人未満症例）

当院は米沢市内のリスクの高い妊婦さんの診療を行っており、帝王切開が手術上位を占めます。小児科医師、麻酔科医師と連携しながら母児共に安全な帝王切開を目指しています。
また、子宮腫瘍や子宮頸癌検診異常など、子宮に異常がある方には、精密検査のために子宮内膜搔爬術や、子宮頸部切除術（円錐切除術）を行っております。
卵巣腫瘍など、卵巣に異常のある方には、腹腔鏡を用いた手術を積極的に行っております。

眼科手術で最も多いのが白内障手術です。次に多いのが硝子体手術です。この硝子体手術疾患は、黄斑円孔、黄斑上膜、糖尿病黄斑浮腫、増殖糖尿病網膜症、網膜剥離、硝子体混濁などです。
当院では、25ゲージ硝子体手術を行っています。
緑内障手術は、点眼で眼圧が21mmHg以下に下がらない場合や視野狭窄の進行が抑制できない場合に手術対象となります。
当院では、線維柱帯切開術、線維柱体切除術、エクスプレスインプラント、アーメードインプラント、バルベルトインプラント手術を行っています。

（ハイフン表示は、10人未満症例）

当科では、前立腺肥大症に対するレーザー手術や、膀胱癌に対する内視鏡手術、上部・下部尿路の結石手術を数多く施行しております。
また、県内で唯一の骨盤臓器脱に対する腹腔鏡手術を行っております。