睡眠時無呼吸外来

睡眠時無呼吸外来

睡眠時無呼吸症候群と心血管疾患について

睡眠時無呼吸症候群(SAS; Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に無呼吸を繰り返し、質の良い睡眠が妨げられている状態を指します。昼間でも異常な眠気を自覚し、交通事故や労働災害を引き起こす一因となったり、様々な心血管疾患の発症に関与することが知られています。

一般の人の2%(患者数として200万人)程度がSASに罹患しているとされますが ¹)、無症状の場合もあり、ご家族にいびきや呼吸停止を指摘されて、受診される患者さんが多くいらっしゃいます。実際の重症度判定には、睡眠1時間あたりの無呼吸に低呼吸(酸素飽和度低下や覚醒を伴う気流低下)を加味した無呼吸低呼吸指数(AHI)が用いられます。

SASの検査と治療について

SASは、高血圧症や心不全、冠動脈疾患などの心血管病を引き起こしたり、悪化させたりします。薬剤耐性高血圧症の80%、心不全の76%にSASが合併していると報告されており ²)、多くの心血管疾患に対して睡眠呼吸障害のスクリーニングが推奨されています。
SASの検査には簡易検査と精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)があり、前者は外来でも検査可能です。脳波や心電図、呼吸パターンなどを詳細に調べるためには後者が適しており、当院では、1泊2日の入院で検査を受けることができます。
SASの治療については、無呼吸を引き起こしている原因(アデノイド、肥満)や検査結果(脳波所見、AHI)、本人の自覚症状などを検討し決定します。減量や睡眠時体位の工夫、アデノイド摘除術などの手術療法、非侵襲的陽圧換気療法(CPAP)などが行われます。

呼吸器科及び循環器内科では、毎日の生活に必須である「睡眠」にも目を向けて、心血管疾患の治療や予防に取り組んでいます。2021年4月の時点では、毎月第1・3・4月曜日の午前中に「睡眠時無呼吸症候群外来」を開設し、ご相談に応じています。
かかりつけ医がいらっしゃる場合には、担当の先生にお願いして当院の「地域医療連携室」に連絡し、診療予約をしてください。かかりつけ医がいない場合には、ご自分で当院の「患者支援センター」に連絡して診療予約をしてください。

予約方法

  • かかりつけ医がいる場合
    担当医の先生から「地域医療連携室」に連絡して診療予約をお取りください。
  • かかりつけ医がいない場合
    ご自身で「睡眠時無呼吸外来」に連絡して診療予約をお取りください。

≪当科で参考にしている診療ガイドライン≫

  1. 粕川裕平, 岡田保. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の有病率と性差,年齢差. 治療学 1996; 30: 55-58.
  2. 日本循環器学会 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン p.970.

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