小児科

小児科

概要

米沢市立病院小児科は、現在常勤医4名体制で診療にあたっております。

外来診療では、年間1万5千人前後の受診者数で推移しております。平日午前中は主に気管支炎や肺炎などの呼吸器疾患や急性胃腸炎などの消化器疾患、それに伴う脱水症など、急性の病気の治療を行っています。平日午後は予約制で、食物アレルギーや気管支喘息などのアレルギー疾患をはじめ、発達障害やてんかんなどの慢性の病気の診療をしています。また、乳児健診、予防接種も行っています。

病棟診療では、米沢市唯一の小児科入院病床を有しており、4階東病棟20床で診療にあたり、年間800~900人で推移しています。外来診療で対応困難な急性の病気からネフローゼ症候群のような慢性の病気の入院治療を行っています。周産期医療にも携わり、産婦人科医師、助産師と協力し、4階西病棟で新生児の入院管理を行います。

病診連携を推進し、置賜地区の開業医の先生方を中心に、年間約400人の患者様をご紹介いただいております。また、より高度な医療が必要な患者様については、山形大学医学部附属病院小児科医師などと連携し、重症であれば救急搬送を行い、外来診療であれば小児循環器外来と小児内分泌外来を毎月2回、小児血液外来を毎月1回、山形大学医学部附属病院小児科から専門医をお招きし、当科外来で診療しております。

症例・治療成績

外来受診者数のグラフ
小児科入院患者数のグラフ
小児科紹介数のグラフ
経口食物負荷試験実施件数のグラフ

アレルギーについて

当科では、小児科部長本間医師が中心となって小児アレルギー疾患の治療に力を入れております。食物アレルギーの管理には正確な診断と適正な食事指導が不可欠です。そのため、当科では積極的に経口食物負荷試験を実施しており、年間50~60人に行っております。食事指導にはアレルギー専門の看護師、栄養士も協力し、きめ細やかな対応を心がけております。食物アレルギーをはじめ、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患でお困りの場合、是非ご相談ください。

アレルギー疾患とは、食物、ほこり(塵埃)、花粉、薬物などの中のアレルゲンが体内に入り、抗原抗体反応を過剰に起きることにより発症する症状のことです。疫学調査によれば、全国民の3分の1が何らかのアレルギー症状を訴えています。児童のアレルギー疾患は近年増え続け、国民病となりつつあります。

食物アレルギー

摂取した食物が原因となり、じん麻疹・湿疹・下痢・咳・ゼーゼーなどの症状がでることを食物アレルギーといいます。その診断のために行われるのが食物負荷試験になります。
当院でも 2007年から食物負荷試験を行っており、年間約50例を実施しております。簡単に言うと、医療機関でアレルギーの原因となる食品を少しずつ食べていく検査です。検査の目的は、「診断と、時間が経って食べられるようになっているの確認」の大きく2通りです。最大のメリットは、食物負荷試験を医療機関で行うため、症状が出たときにすぐに対応ができます。

食物負荷試験をしない場合の対応は、そのまま食べないで様子を見る。または、家で自分で食べてみる。しかし、そのまま様子を見るのであれば、実際は時間の経過で食べられるようになっているかもしれないのに、食べないで制限を強いることは本人への負担になります。給食や食事に対して気を使い続けなければならない親御さんたちの負担にもなります。

また、自分で食べてみるについても、運悪く重症な症状が出る場合を考えると怖いものがあります。当科でも血液検査、皮膚検査などを行いますが、それはあくまで参考値と考えたほうがよく、実際に当科で血液検査の値が低く、症状が出ないと思って負荷試験を行っても、何らかの症状が出てしまう場合があります。それでは、なかなか親御さんに自宅で食べさせてみてくださいとは言いにくいものがあります。また、PAE(小児アレルギーエデュケータ)も在籍しており、生活指導や栄養指導などを通して質問にもお答えできます。
食物アレルギーでお困りの場合は一度ご相談ください。

アレルギー性鼻炎

近年小児のアレルギー性鼻炎の患者は増加しており、学童の10人に一人はアレルギー性鼻炎を持つていると言われています。日本人の2~3人に一人は花粉症にかかっていると言われています。
症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりですが、子供の場合自覚症状に乏しい場合があり、気づいていない場合もあります。
ハウスダストやダニなどの通年性のアレルゲンが原因のものと、スギなどの季節性のものに分けられます。小さい頃はダニなどの通年性のものが多いのですが、小学校に入ってくるとスギなどの季節性のものが増えてきます。また最近では、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎の低年齢化がみられ、今後増加してくるものと言われています。治療はアレルゲンの除去が基本になりますが、掃除などの環境整備などでは限界があるため、症状に合わせた薬物療法があります。

  1. 抗原除去
    抗原が体に入らなければアレルギーは起きないのでそのアレルゲンを遠ざける。
    例)ダニ・ハウスダストが原因であればまめに掃除する、ダニ防止用の布団カバー使う。
    スギが原因であれば外出時にマスクをする。
  2. 薬物療法
    抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、鼻噴霧用ステロイド
  3. 舌下療法
    舌下免疫療法は、アレルギーの原因となっているアレルゲンのエキスをごく少量投与することから始め、少しずつ量を増やしていき、アレルギーが起きないように体を慣らしていく、特異的免疫療法の一つです。
    以前は、免疫療法は皮下注射で行われていましたがそれに比べて簡易で安全に行えるのが特徴です。
    現在当科でも、スギ花粉、ダニアレルゲンの2種類を行っています。小学生からが対象になります。
    そのほか喘息、小児フトピー性皮膚炎につても何かありましたら一度ご相談ください。

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